気持ちの言葉 108

喜(22)

うれしいうれしい良いことがあって、心がふわっと軽くなる。たのしいたのしい今この時間が、ただ楽しくてしょうがない。わくわくわくわくこれから起こることが、待ちきれない。ときめきときめき誰か、何かに、心がきゅっと跳ねる。誇らしいほこらしいやり遂げた自分を、少しだけ認めてやりたい。晴れやかはれやか曇りのない顔で、今日という日に立っている。有頂天うちょうてん嬉しさがあふれて、地に足がつかない。胸が高鳴るむねがたかなる心臓が、先に喜びを知っている。感激かんげき思っていた以上のものを、受け取ってしまう。達成感たっせいかんやり切ったという事実だけが、静かに残る。高揚感こうようかん気持ちが、いつもより高いところにある。愉悦ゆえつ誰にも見せない、自分だけの喜び。会心の笑みかいしんのえみ思い描いた通りにできて、口元がゆるむ。感謝かんしゃ受け取ったものの大きさに、すぐに、もしくはあとから気づく。天にも昇る心地てんにものぼるここち喜びが大きすぎて、足元の重さを忘れる。心が弾むこころがはずむ何をするにも、足取りが軽くなる。推しへの愛おしへのあい好きという気持ちが、生活のあちこちを支えている。花咲く予感はなさくよかんまだ何も起きていないのに、良い方へ向かう気がする。歓喜かんき喜びが体からあふれて、抑えがきかなくなる。好きが止まらないすきがとまらない好きという気持ちが、いくら数えても減らない。にやけるにやける楽しいことを思い出して、顔がひとりでにゆるんでしまう。ドキドキするどきどきする心臓が、いつもより速く、大きく動く。

怒(17)

いらいらいらいら理由ははっきりしないのに、体の奥がざわつく。むかつくむかつく相手の言葉や態度が、胃のあたりまで押し寄せる。腹が立つはらがたつ何か具体的な出来事に、はっきりと腹の底が熱くなる。むしゃくしゃむしゃくしゃ苛立ちが行き場を探して、体の中で暴れている。かっとなるかっとなる一瞬で、頭に血が上る。かちんとくるかちんとくる何気ない一言が、思ったより深く刺さる。憤りいきどおり不当な扱いに、静かだが強い怒りを持つ。憤慨ふんがい許せない出来事に、はっきりと抗議したくなる。憤懣ふんまん晴れない怒りが、胸の奥にたまっていく。業を煮やすごうをにやす待っても変わらないことに、とうとう我慢が尽きる。心外しんがいそんなつもりはなかったのに、悪者にされてしまう。怒り心頭いかりしんとう怒りが、ちょうど頂点まで来てしまう。逆上げきじょう怒りのあまり、自分でも制御できなくなる。かんかんかんかん誰の目にも、はっきりと怒っているのがわかる。正義への怒りせいぎへのいかり自分のことでなくても、許せないと感じる。癇に障るかんにさわる相手のちょっとした言動が、神経にざらっと触れる。うるさいうるさい同じ注意や言葉が、何度も耳について離れない。

哀(20)

さみしいさみしい誰かや何かがいない分だけ、部屋が広く感じる。せつないせつない好きだった分だけ、今の痛みも深い。かなしいかなしい何かを失って、涙がすっと出てくる。むなしいむなしいこれまでの時間が、手元から抜けていく感じがする。やるせないやるせない気持ちの持って行き場がなくて、ただ重い。うら悲しいうらがなしい理由もなく、景色や時間そのものが悲しく見える。わびしいわびしい一人でいる部屋が、いつもより静かで冷たい。心細いこころぼそい頼れるものが少なくて、足元が不安定に感じる。憂鬱ゆううつ理由はいくつかあるはずなのに、まとめて重くのしかかる。寂寥せきりょう広い場所に、一人だけ置かれているような静けさ。失った人への想いうしなったひとへのおもいもういないとわかっていても、つい話しかけたくなる。哀愁あいしゅう過ぎたものを見つめる目に、切なさが混ざる。郷愁きょうしゅう帰れない場所を、今もどこかで探している。未練みれん終わったはずなのに、心の一部がまだそこに残っている。後悔こうかいあの時の自分の選択を、何度も思い返してしまう。諦めあきらめ望んでいたものを、静かに手放す。喪失感そうしつかんあったはずのものが、今はもうそこにない。孤独こどく周りに人がいても、自分だけ違う場所にいる気がする。心が折れるこころがおれる頑張ってきた分だけ、その糸がすっと切れる。居場所のなさいばしょのなさどこにいても、少しだけ場違いな気がする。

楽(19)

静(15)

不安(15)